夏の暑い夜、快適な睡眠のためにエアコンのスイッチを入れた瞬間、送風口から黒い物体がポトリと落ちてきた…考えただけでも身の毛がよだつこの恐怖体験は、決して珍しいことではありません。エアコンは、ゴキブリにとって非常に魅力的な侵入経路であり、同時に快適な隠れ家にもなり得るのです。では、ゴキブリは一体どのようにしてエアコンの内部に侵入するのでしょうか。その最大のルートとなるのが、室外機と室内機を繋いでいる配管の一つ、「ドレンホース」です。ドレンホースは、エアコン内部で発生した結露水を屋外に排出するためのもので、通常は先端が開きっぱなしになっています。ゴキブリはこのホースの先端から内部に侵入し、ホースをトンネルのように使って壁を通り抜け、室内機まで到達するのです。エアコンの内部は、暗くて狭く、適度な湿気とホコリ(ゴキブリの餌となる)があり、彼らにとって非常に居心地の良い空間です。ここで潜伏し、夜になると室内へと活動の場を広げます。また、壁に室内機を設置する際に開けられた配管用の穴と、配管の間に隙間があると、そこも直接的な侵入経路となります。この隙間は、通常パテで埋められていますが、経年劣化でひび割れたり、剥がれたりしていると、ゴキブリが簡単に出入りできてしまいます。この恐怖の侵入を防ぐための対策は、比較的簡単に行うことができます。最も効果的なのは、ドレンホースの先端に専用の「防虫キャップ」を取り付けることです。網目状のキャップがゴキブリの侵入を物理的に防ぎ、水は問題なく排出できます。ホームセンターなどで数百円で購入可能です。また、壁の配管穴の隙間は、エアコン用のパテで改めてしっかりと埋め直しましょう。これらの対策を行うだけで、エアコンが恐怖の侵入経路となるリスクを劇的に減らすことができます。快適な空調環境を、不快な侵入者から守りましょう。
エアコンからゴキブリが!恐怖の侵入経路とその対策