家へのゴキブリの侵入経路は数多くありますが、中でも最も頻繁に使われるのが、家の顔とも言える「玄関」です。私たちは毎日何気なく出入りしていますが、ゴキブリにとって玄関は、数多くのチャンスに満ち溢れた絶好の侵入ポイントなのです。玄関からの侵入をいかに防ぐかが、家全体のゴキブリ対策における重要な第一関門となります。ゴキブリが玄関から侵入する手口は様々です。まず、最も基本的なのが、ドアの下にあるわずかな隙間です。特に古い建物の場合、ドアと床の間に数ミリの隙間が開いていることが多く、ゴキブリはここをいとも簡単に通り抜けてしまいます。夜間、室内の明かりに誘われてドアの下までやってきて、隙間を見つけて侵入するのです。次に、私たちが家に出入りする、まさにその一瞬を狙って侵入するケースです。夜間に帰宅して玄関のドアを開けた瞬間、足元に潜んでいたゴキブリが、目にも留まらぬ速さで一緒に家の中へ駆け込んでくることがあります。これは、タイミングとスピードが完璧にシンクロした、彼らの見事な侵入術と言えるでしょう。また、郵便受けも油断できません。ドアに埋め込まれたタイプの郵便受けは、外と直接繋がっています。新聞や郵便物が挟まって隙間ができていると、そこから侵入してくることがあります。これらの侵入を防ぐためには、まずドア下の隙間を隙間テープなどで徹底的に塞ぐことが基本です。夜間に帰宅する際は、ドアを開ける前に一度足元を確認する癖をつけるだけでも、侵入のリスクを減らすことができます。そして、玄関周りにゴキブリを寄せ付けない環境を作ることも重要です。玄関の外にゴミ袋を一時的に置いたり、植木鉢をたくさん置いたりすると、ゴキブリの隠れ家や餌場となってしまいます。玄関周りは常に清潔に保ち、ミントやハッカなどのゴキブリが嫌う香りの忌避剤をドアの周辺にスプレーしておくのも効果的です。玄関という防衛ラインを突破させないことが、家全体の平和を守ることに繋がるのです。