ベランダや庭に毎日アシナガバチが姿を見せると、「いつか刺されるのではないか」と不安になるのは当然のことです。しかし、パニックになって間違った行動をとると、かえって危険な状況を招きかねません。アシナガバチの性質を正しく理解し、冷静に付き合うことが重要です。まず、アシナガバチはスズメバチに比べると、比較的おとなしい性質を持っていると言われています。こちらから何もしなければ、人を積極的に攻撃してくることはほとんどありません。餌を探して飛んでいるだけのハチであれば、たとえ近くを飛んでいても、過度に恐れる必要はないのです。しかし、「おとなしい」というのは、あくまで巣から離れている時の話です。彼らは、自分の巣や幼虫を守るためとなれば、命をかけて攻撃してきます。巣に気づかずに数メートル以内に近づいたり、巣がある場所で洗濯物を叩いたり、窓を強く開け閉めして振動を与えたりすると、それを威嚇とみなして襲いかかってくることがあります。したがって、毎日アシナガバチを見かける場合は、まず「近くに巣がないか」を疑い、巣との距離感を保つことが安全の鍵となります。アシナガバチに遭遇した際に、絶対にやってはいけないNG行動があります。それは、「手で払う」「大声を出す」「急に走り出す」といった、大きな動きで刺激することです。これらの行動は、ハチを興奮させ、攻撃のスイッチを入れてしまう可能性があります。もし、ハチが体の近くに飛んできたら、騒がず、ゆっくりと姿勢を低くして、静かにその場を離れるようにしましょう。また、黒い色や香水の強い香りもハチを刺激することが知られています。庭仕事などをする際は、白っぽい服装を心がけ、香りの強い整髪料などの使用は避けた方が賢明です。毎日来るアシナガバチは、すぐさま危険な存在というわけではありません。しかし、彼らのテリトリーを尊重し、刺激しないように心がける冷静さが、お互いの平和を保つために何よりも大切なのです。
毎日来るアシナガバチは危険?正しい付き合い方とNG行動