庭先で蜂の巣を発見した時、費用を抑えるために「自分で駆除できないだろうか」と考える人も少なくないでしょう。確かに、状況によっては自分で駆除することも不可能ではありません。しかし、その判断を誤ると大変な危険を伴うため、安全に駆除できるかどうかの見極めが非常に重要になります。自分で駆除を試みても良いと考えられる条件は、主に「蜂の種類」「巣の大きさ」「巣のある場所」の三つのポイントで判断します。まず最も重要なのが「蜂の種類」です。攻撃性が比較的低く、毒性も弱いアシナガバチやミツバチであれば、条件が揃えば自分で駆除できる可能性があります。しかし、相手がスズメバチの場合は、絶対に自分で駆除しようとしてはいけません。スズメバチは非常に攻撃的で毒も強く、素人が手を出すのは極めて危険です。蜂の種類が分からない場合は、巣の形で判断することもできます。アシナガバチの巣はシャワーヘッドのような半円形でお椀を逆さにしたような形、ミツバチの巣は平たい板状の巣盤が垂れ下がった形、スズメバチの巣は初期はとっくり型で、大きくなると球体のマーブル模様になります。次に「巣の大きさ」です。自分で安全に対処できるのは、作り始めの巣、具体的には直径が15センチ未満のものが目安です。それ以上に大きくなっている巣は、蜂の数も増え、危険度が高まります。最後に「巣のある場所」です。自分の手が届く、開けた場所にあることが条件です。脚立を使わないと届かない高所や、屋根裏、床下、壁の中といった閉鎖的な空間にある巣は、作業中に逃げ場がなく非常に危険なため、プロに任せるべきです。これらの条件を一つでもクリアできない場合や、少しでも不安を感じる場合は、決して無理をせず、専門の駆除業者に相談するのが最も賢明で安全な選択と言えるでしょう。