ゴキブリの幼体を発見した時、多くの人は市販のスプレー式殺虫剤で対処しようとします。しかし、目に見える個体を駆除するだけでは、潜んでいる仲間や、これから孵化する卵には全く効果がなく、根本的な解決には至りません。プロの害虫駆除業者が実践する、より効果的で持続性のある駆除方法を知り、家庭での対策に応用しましょう。最も効果的なのは、「ベイト剤(毒餌)」の活用です。ベイト剤は、ゴキブリが好む餌に遅効性の殺虫成分を混ぜたもので、これを食べたゴキブリが巣に帰り、フンをしたり死んだりすることで、そのフンや死骸を食べた他の仲間も連鎖的に駆除できるという優れた特徴があります。幼体は成虫のフンを食べる習性があるため、この「ドミノ効果」は非常に有効です。ベイト剤を設置する場所のポイントは、ゴキブリの通り道や潜伏場所の近くに、多数設置することです。キッチンのシンク下、冷蔵庫の裏、コンロ周り、食器棚の隅、水回りなど、暗くて暖かく、水気のある場所に2メートル間隔くらいで置いていくと良いでしょう。次に、部屋全体のゴキブリを一網打尽にするには、「くん煙剤」が有効です。殺虫成分を含んだ煙や霧が部屋の隅々まで行き渡り、家具の裏などに隠れている幼体や成虫を駆除することができます。ただし、くん煙剤は卵鞘には効果がないため、卵が孵化するタイミングを見計らって、2週間から1ヶ月後にもう一度使用すると、より根絶に近づきます。使用する際は、火災報知器にカバーをかけたり、食器や食品を保護したりと、事前の準備が重要です。これらの駆除方法と並行して、部屋の清掃を徹底し、餌となる食べこぼしや生ゴミを放置しないことも不可欠です。ベイト剤で巣ごと駆除し、くん煙剤で生き残りを一掃し、そして清潔な環境で再発を防ぐ。この三段構えが、プロも実践するゴキブリ幼体駆除の王道なのです。
プロが教えるゴキブリ幼体の効果的な駆除方法