ねずみ駆除を成功させるためには、やみくもに罠を仕掛けるのではなく、まず敵の行動を把握することが不可欠です。ねずみは、その通り道や生活圏に、必ず何らかの痕跡を残していきます。これらの痕跡は「ラットサイン」と呼ばれ、彼らの侵入経路や巣の場所、活動範囲を特定するための、非常に重要な手がかりとなります。ラットサインを見つけることが、効果的な駆除計画を立てるための第一歩なのです。最も分かりやすいラットサインが「糞(ふん)」です。ねずみの糞は、黒色で、種類によって大きさが異なります。クマネズミは細長く、ドブネズミは太く、ハツカネズミは米粒のように小さいのが特徴です。糞が落ちている場所は、ねずみが頻繁に通る道や、餌を食べる場所であることを示しています。糞の色が黒く艶があり、柔らかければ、まだ近くにねずみがいる証拠です。次に注目すべきは「かじり跡」です。ねずみは伸び続ける歯を削るために、様々なものをかじる習性があります。家の柱や壁、家具、電気の配線、食品の袋などにかじられた跡があれば、そこがねずみの活動範囲であることを示しています。特に、電気の配線をかじられると、漏電や火災の原因となるため非常に危険です。また、ねずみが何度も同じ壁際を通ることで、彼らの体の汚れが壁に付着し、黒い線のような「こすり跡(ラビングマーク)」が残ることがあります。この黒い跡をたどっていくと、侵入経路や巣の場所にたどり着けるかもしれません。そして、ホコリっぽい場所に残された「足跡」も重要なサインです。もし、ねずみの存在が疑われる場所に小麦粉などを薄くまいておけば、翌朝にはくっきりとした足跡が残り、彼らの動きを把握することができます。これらのラットサインを注意深く観察し、パズルのピースを組み合わせるように分析することで、ねずみの行動パターンが浮かび上がってきます。その動きを先読みして罠を仕掛けることこそが、賢いねずみを捕らえるための必勝法なのです。