家の中でゴキブリに最も遭遇しやすい場所、それは間違いなくキッチンです。なぜなら、キッチンにはゴキブリが生きていくために必要な「餌」「水」「隠れ家」の三つの要素が全て揃っているからです。そして、その天国のような場所へ、彼らが巧みに侵入してくる経路もまた、キッチンに集中しています。キッチンからの侵入経路を塞ぐことは、ゴキブリ対策の最重要課題と言えるでしょう。キッチンで最も警戒すべき侵入経路は、「シンク下の排水管周りの隙間」です。ほとんどの家庭で、シンクの下の収納スペースを開けると、排水管が床を貫通しているのが見えます。この際、排水管の太さと床に開けられた穴の大きさには必ず差があり、そこに隙間が生じます。この隙間は床下や壁の内部に通じており、建物の基礎部分や、集合住宅の場合は他の部屋と繋がっていることも少なくありません。ゴキブリはこの暗くてジメジメした隙間を絶好のハイウェイとして利用し、キッチンへと侵入してくるのです。同様に、壁から出ているガス管の周りにも隙間があることが多いので、注意が必要です。また、「換気扇」も油断できない侵入経路です。特に古いタイプのプロペラ式換気扇は、外と直接繋がっており、シャッターの隙間から簡単に入り込んできます。比較的新しいレンジフードタイプでも、フィルターの隙間や排気ダクトを通じて侵入する可能性があります。これらの侵入を防ぐためには、まずシンク下やガス管周りの隙間を、配管用のパテや防水テープで徹底的に塞ぐことが不可欠です。これはゴキブリ対策の基本中の基本であり、最も効果的な方法の一つです。換気扇については、使用していない時はカバーを閉め、フィルターをこまめに掃除して油汚れを取り除くことが侵入防止に繋がります。キッチンをゴキブリの天国から人間の聖域へと取り戻すため、まずは侵入経路の封鎖から始めましょう。